浦和店の板倉です
ここ最近の浦和店の修理作業をご紹介いたします。
まず、M.BENZ W219 CLS55ですが、足回りの異音点検でご入庫頂きました。
下回りから目視点検をはじめまして、特に大きながたつきや、損傷は見当たりませんでした。
お客様から聞いております症状は、走行中コトコト音がするとの事でした。
さっそくテストドライブに出ます。ごく低速での異音との事ですので、会社周辺の裏道をゆっくり周回して音の確認です。
しばらく走っていると、右フロントからコトコトと異音がし始めます。
色々な可能性を想像しながらテストドライブをしていますと、今度は全く違うキュルキュルと言う音がエンジンルームから聞こえてきました
えっ、まさか、、、
と思ったらメーターにはこんな警告が、、、、、
シテイノコウジョウデテンケン! 無情なメッセージが目の前に映し出されました。
そしてパワーステアリングから重ーステアリングに、、、、
そうです。ベルト切れです
さすがに焦りますね、予想していない事が起こると。
異常なほど重いステアリングを全身の力を使って、曲がり角の多い裏道でピットまで戻ってきました。
油圧ってすごいなって改めて思いました 笑
戻って点検してみると
見事にベルトが無くなっています。
CLS55はスーパーチャージャー付きのエンジンですので通常のファンベルトの他にスーパーチャージャーのコンプレッサー用のベルトもあります。今回は通常のファンベルトが切れたのですが、おそらく切れた破片が絡まり、スーパーチャージャーのベルトも一緒に外れてしまったようです。
ところでなぜベルトが切れたのか調べていますと、原因がパッと見で見つかりませんでした。
今までの経験上どこかのプーリーが粉々になっていたりするのですが、今回はプーリーは残っています。
と思ったら↓↓
チョット解り難いですかね。
このプーリーはファンベルトとスーパーチャージャーのベルトが同時に掛かっている、アイドルプーリーと言われるプーリーです。
一見問題なさそうですが、新品と比較してみます。
手前側の黒いプーリーが半分無くなっていますね。
原因はやはりプーリーでした。これでファンベルトが切れてしまったのですね。
今回はこのアイドルプーリーと、もう一つあるファンベルトだけのアイドルプーリー、ベルトの張りを自動調整するテンショナープーリーを交換します。
アイドルプーリー↓
テンショナープーリー
それぞれ交換してベルトを張りましてひとまず終了、足回りの点検に戻ります。
ベルトにもAMGの文字
さて、お次は
ALPINA B10のオーバーヒートの点検です。
こちらのお車はそのままですが、オーバーヒートしてしまうとの事でご入庫。
さっそく点検してみます。
まずは、ラジエターリークテスターで圧力をかけて漏れの点検をします。
どこかに漏れがあればこの圧力が下がってくるはずです。
が、きっちりキープ!
となると、サーモスタットが開かないのでは?とエンジンルームをのぞいてみますと(のぞいてもサーモスタットの動きは解りませんが 笑)
緑色の湯の花みたいなものが咲いています 笑
テスターで圧が下がらないのに、なぜか水漏れを起こしています。
と、その前に見た部分があります。
ウォーターポンプのプーリー裏側です。
見事に漏れています。
ウォーターポンプで確定ですね!
しかし、圧力をかけても漏れてこないのは不思議です。
おそらくベルトをかけてポンプにテンションがかかると漏れてくるのか、エンジンが温まってくると漏れてくるのかと予想しています。
オーバーヒートを起こしてしまった場合、今回のように漏れている個所の修理の他に必ず交換するものがあります。
ひとつはサーモスタットですね、車種によりますが、サーモスタット内のワックスが劣化してしまい温度変化による反応が悪くなってしまうと考えています。
もうひとつはエンジンオイルです。
エンジンオイルは高温になるとポリマーと言われる添加剤がせん断され、粘度が極端に落ちてしまいます。
粘度が落ちてしまうと、当然オイルとしての役割がほとんど無くなってしまいますから、必ず交換をします。
他にもオーバーヒートの度合いによっては、エンジンをばらして修理が必要なこともあります。
一度でもオーバーヒートしてしまったら迷わず点検をご依頼ください。
そのまま乗り続けると言う事もないとは思いますが、重症になる前に修理しないと最悪エンジンごと交換なんて事態にもなりかねません。
最近の修理車両のご紹介でした。
では、板倉でしたー