
チャイナブルー一色のw223。
とてつもないインパクトを放ち、一度見たら忘れられない海外で着々と増殖中の同色系カスタマイズ、ペイントマッチと呼ばれている手法だ。
今まで車のカスタマイズと言えば1/1プラモデルの様な「車自体をカッコ良くする」というのがスタンダードだったが、このペイントマッチは全く別の切り口でカスタマイズされている。
その強烈なビジュアルの根本にあるのはライフスタイルやファッションの一部として車を捉えていると言う点。一番有名なところで言うと、キム カーダシアンのグレーがそれに当てはまる。 2022年、彼女は自身の愛車3台を全てグレー一色に仕上げた。
それは世界中のあらゆるジャンルの人々に衝撃を与え、大きな反響を呼んだ。 現在ではプロスポーツ選手や音楽関係者、セレブなどを中心に増殖中だ。

しかしながらこの同色系カスタマイズ「ペイントマッチ」は今に始まった手法ではない。 昔から自動車メーカーレベルでも時折見かける手法でもある。ごく最近だとヴァージルのマイバッハやディフェンダー 75th リミテッド エディション、一昔前だと968Club Sportなど。これらに共通して言えるのは、やはりファションやライフスタイルが垣間見えるという事と、強烈なメッセージ性があるという点だ。
そしてこのペイントマッチ、やり方や同色にする範囲は様々だ。 今回のSクラスの様に全て徹底的に同色化された車もあれば、初見でも違和感を抱かない様な絶妙な同色の車もある。
しかしだからと言って無闇矢鱈にどんな車でもどんなカラーでも成立するわけではない。車種選択や年式、カラー、使用場所などバックグラウンドが重要視されるからこそ成立するのである。

現状、賛否両論、いや恐らく否の方が多いはずだ。しかし挑戦からしか新しい物は生まれない。柔軟な思考から生まれるカッコ良い、カッコ悪いを超えた新しい車の弄り方、それがペイントマッチだ。