MANSORY for Rolls-Royce Cullinan Series II

常にそのセンスを肯定できるわけではない。
ラグジュアリーカーやSUVに対するMansoryのアプローチは、時に“やり過ぎ”と評されることもある。だが、マーケットを的確に射抜いているのは事実だ。でなければ、これほどまでに次々と強烈な一台を世に送り出し続けられるはずがない。
現在のラインアップは、SUVからスーパースポーツ、さらにはパーソナルウォータークラフトにまで及ぶ。その世界観は一貫している——圧倒的な存在感だ。

エクステリアはフルカーボンファイバー製のワイドボディキットを装着。単なるアクセント追加ではなく、もはやベース車の面影を最小限に残すレベルでデザインを再構築している。
フロントからリアまで一新された造形は、“強化版”というより“再解釈版”だ。
カーボンを多用したエアロディテール、張り出したフェンダー、再設計されたフロントマスク。
視界に入った瞬間、周囲の空気が一段階引き締まる。

足元にはFD.15 24インチのフルフォージドホイール。きらびやかでありながら、どこか計算された控えめさも感じさせる仕上げとなっている。

今回、ボンドグループが特にこだわった仕様変更がフェンダーのダクト部分だ。
他国のショップが手掛けた仕様では、このダクト部分はすべてカーボンをそのまま露出させた仕上げになっていることが多い。しかしそれではドアパネルとの調和にやや欠ける印象がある。
そこで今回は、そのつながりをより自然に見せるため、グラデーション塗装を採用した。
この塗装を実現するためのマスキングポイントは、このダクト部分だけでも実に7ヶ所。単純な塗り分けとはまったく異なる、非常に繊細な工程が必要になる。
さらに、純正のコーチラインに質感を合わせてラインを引き直し、その途中にはMansoryロゴを塗装で配置。当然ながら、純正の塗装肌にも完璧に合わせて仕上げている。
文章にすると一行で終わるような作業だが、実際の工程は非常に複雑だ。こうした細かなオーダーを形にできるのは、自社板金工場であるbond bodyがあるからこそ。
細部を改善し、より良い形へと昇華させる——。
それは、日本人ならではの職人気質なのかもしれない。
そして何より、これまで数多くのお客様の“無理難題”に向き合い続けてきた経験があるからこそ実現できる、ボンドグループならではのこだわりでもある。

リアで最も大きなパーツはリアディフューザーのみ。しかし、その迫力ある造形はまさに圧巻の一言だ。
リアスポイラーやルーフスポイラー、トランクリッドパネルといった細かなパーツの組み合わせも相まって、リアビュー全体に強烈な立体感を与えている。
フロントではバンパー、ボンネット、フェンダーといった主要パネルがすべて交換されているにもかかわらず、リアセクションのインパクトは決して引けを取らない。むしろ車両全体の存在感を引き締める、重要なハイライトとなっている。

この車のカスタム費用はボンドグループ史上、最高額となったが価格で選ぶクルマではない。
妥協を知らない者だけが辿り着く、究極のステートメントなのだ。

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