Tuners

Ferrari F8 Spider × Mansory

SOFT KITとは思えないフォルム

まず一番に視線を奪われるであろう、ボンネットのダクトから聳え立つ一本のライン。
この特徴的なダクトがさらに個性的に、より攻撃的な仕上がりを魅せる。
フロントにはドライカーボン製のスポイラーが装着されているのだが、そのすべてが純正と同じく平織になっていて純正で使われているカーボンとの相性も良い。

しかしフロントはこれだけでは終わらない。
切れ長のヘッドライトがさらに鋭い眼光で見ているかのような印象で、フェラーリという力強い印象を最高まで引き上げ、この顔つきだけでも魅了されてしまい目を奪われる。
サイドスカートにはF8 Spiderのボディ形状のような流線的で綺麗なライン。加えて最後には大きめのフィンが横から見た姿を脳裏に焼き付けるとともに、しっかりと攻めたデザインでまとまりを魅せるのもMansoryだからこそ出来る美しさとかっこよさだ。

リアのカーボンフードはエンジンルームが見えるデザインとなっている。
普段ならスポーツカーとしてエンジンルームを見せる必要はないのだが、あえて見せにいくことで後ろからの単色のイメージがガラッと変わり、この車における一つの“魅せる”ポイントに変貌を遂げた。
さらに6つのダクトの形状がスパイダーの足のように見え、ネーミングとのシンクロが演出。

チューナーセッティングの中でも個性を出せる

もう1つ注目してほしいのが、今回のホイール。
まず知っておいてほしいのは、このホイールが届いた時には塗装されておらず自由にカラーリングを決めることができ、それを踏まえた上でカラーはボディの明るいイエローとは相反してグロスブラックで染め上げた。
ボディの色鮮やかな印象から、Mansoryの攻めたかっこよさが一体感を演出しているのだが、リムにイエローのラインを入れることでアクセントが付きFerrariらしさも残す。
フロントに21インチ、リアには22インチで大きめのホイールを履かせていて、ボディに付けられている切れのあるカーボンパーツに引けを取らないのだが、主張しすぎない上品さも兼ね備えている。


これぞFerrariの魅力

F8 Spiderの最高出力は720hp/8000rpm、最大トルクは78.5kgm/3250rpm
この数字を見るだけでも、驚きを隠せない。
そして軽量化もされており、同じスパイダーの名前を持つ488と比べても、
最高出力は+50hp、最大トルクは+1kgm、重量は-20kgされている。

今回MansoryのSOFT KITでのカスタムで外装のド派手さに注目したが、Ferrari F8 Spiderの魅力はもちろんそれだけではないことをわかってほしい。
素体のポテンシャルはやはりFerrariという名に相応しい車に仕上がっている。
システムも電子制御でホイールの空転を抑え、より効率的に加速する力を伝える「アダプティブ・パフォーマンス・ローンチ」やレッドラインの8000rpmまで一気に回しきる「ウォール・エフェクト」を搭載し、スポーツカーとしての威厳は譲ることはない。

Mansory Range Rover SV Autobiography

あくまでここは日本

もしかすると今回の車両は車に詳しくない人が見れば一見、どこが改造されているのかわからないかもしれない。
さらに今回装着したのはワイドボディキットというから驚きだ。マンソリーのSNSをこまめにチェックしていれば、色が前後や左右でグラデーションになっていたり、4ドアのモデルが2ドアになっていたりと、この世のものとは思えない、レンダリングなのでは?とまで思ってしまいそうなものが多い。

そんな日本人のセンスからはかけ離れているメーカーのパーツを、我々が侍魂を吹き込むと上品でコンビニの買い物から冠婚葬祭までこなせる砂漠のロールスロイスに変身させた。派手な色や塗り分けに頼らなくても抜群のインパクトを引き立たせることができるのはさすがはマンソリーの品質。

ホイールもマンソリーではあまり見かけないSpider。しかしサイズはしっかり最大サイズの23インチを選択。あえてグロスブラック×ダイヤモンドカットのフィニッシュはどことなく純正感を演出する。もちろんチューナーコンプリートの証、キャリパーペイントも忘れてはいないが、ロゴ入れだけに留まらせてある。

細かなパーツもまさにド派手な中東仕様から正反対を行く。ボディ同色に塗られたパーツからうっすらと見えるカーボン目や、あえて”MANSORY”のロゴにも色を入れずに同色で仕上げられているリアパネル。派手な仕様では気づきにくい物の良さがさらに引き立つ。

Techart Taycan 4S

メーカーとして

テックアートはドイツから自動車製造者識別番号の発給を受けており、その立ち位置は自動車メーカーと同じだ。日本においてもコンプリートカーを手に入れる環境は整っている。

テックアート・タイカン4Sは、純正デザインをそっと引き立てるようなボディパーツとオリジナルホイール程度しか変更されていない。しかし、風洞実験施設を駆使して生まれるボディパーツは、そのどれも空力的に理にかなったものだ。
そんな控え目なボディパーツは、純正の性能をスポイルすることは絶対にあり得ないことを象徴している。この老舗チューナーは、内燃機関の行く末を案じながらも、そこに悲観することなど一切なく、今ではBEVの魅力を引き立たせることにも注力している。

改造=見た目だけではない

極限まで造形を研ぎ澄ましたかのような、5つのツインスポークが美しい鍛造ホイール「フォーミュラVI」のサイズは前後とも22インチ。ベースから最上級グレードのターボSまで装着可能となっている。
“テクニック”と“アート”を融合させる意味でのテックアート。機能一辺倒ではなく、かといって表層だけのドレスアップでもない。その双方を融合させるのに長けているのがテックアートだとすれば、それは決して内燃機関だけではなくBEVでも実現可能であることを、彼らはタイカンのプログラムで証明している。

Mansory Phantom 8

最高級車のための最高級エアロ

全長5990mmの堂々たるボディを包み込むボディキットは、同じくマンソリーが手がけるカリナン用ボディキットに比べて、パーツ点数は少ない。しかしこれは世界中の顧客を相手にしている同社がそれぞれのパーツの必要性を理解し、無闇にパーツを開発しているわけではないことの裏付けとも言える。

伝統的な純正のパルテノン神殿をモチーフにしたグリルを、バンパー下部まで伸ばしたデザインはもちろん健在。ロングホイールベースだと特に平滑に見えてしまうサイドには、垂直に伸びた大型のダクト付きのフェンダーを採用し、前後バンパーに負けない統一感を演出している。
すべてのパーツを塗装して組むだけでも、ある程度のトータルコーディネイトができてしまうのもマンソリーだからこそなせる技。しかしこちらの車両は、交換されたフェンダーに純正と同じカラー、質感でコーチラインを再現したりと、細部への処理も抜かりない。一見純正に感じてしまうこういった作業のひとつひとつが、全体の一体感をさらに高めているのだ。

組み合わせるホイールは、24インチのマルチスポーク「FS.23」。2.5tオーバーのボディを支えるのにぴったりのデザインだ。

世界中のセレブに愛されて

有名ラッパーのドレイクは、過去に所有したロールス・ロイスをほぼすべてマンソリーのボディキットで固めている。また最近では、ファッションデザイナーのフィリップ・プレインやクロムハーツとのコラボレーション、キム・カーダシアンもランボルギーニ・ウルスをベースとした自身のVenatusを公開するなど、世界のセレブリティのなかでもマンソリーはお墨付きを得ている。

Mansory Cullinan × AG Luxury Wheels

高級車の極み

インペリアル・ジェイドの唯一無二のボディカラーに纏うエアロパーツはマンソリー製のボディキット。すべてがドライカーボン製なのはもちろん、マンソリー伝統にもなりつつある、純正のパルテノン神殿をモチーフにしたグリルをバンパーまで伸ばしたデザインは、その異様な空気感がより一層強調されている。
ここまで車体が大きいと、ボンネットやフェンダーといった大物パーツに目を奪われがちだが、その雰囲気に負けないようにリヤバンパートリムやDピラーパネルといった細かいパーツも取り付けられ、360°どこから見ても普通のカリナンではないことは一目瞭然。そこは長年多くのメーカーのパーツを開発しているチューナーだけのことはある。

ヨーロピアンチューナー×アメリカ製鍛造ホイールの融合

そんなボディを飾る足周りは、西海岸の雰囲気が全開なアメリカ製鍛造ホイール「AG Luxury AGL73」。今流行りのディッシュタイプのホイールをポリッシュで仕上げ、ヨーロピアンチューナー×アメリカ製鍛造ホイールという片方だけでは実現できないオーラを実現。マンソリー製のボディキットだからこそできるこの24インチとの組み合わせはアンバランスさを感じさせない、まさに完璧な仕様といえる。