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BMW M5 Touring × BC FORGED

BMW M5 Touring G99 カスタム フロント

「ファミリーカーを買った」——そう言われて、この一台を思い浮かべる者はまずいない。

BMW G99 M5ツーリング。かつてない存在感を放つ専用エクステリアに、深く沈んだブラック。ワゴンでありながら、その正体はプラグインハイブリッドで武装した727馬力のモンスターだ。もはやスーパーカーの領域である。乗り換え元はX7、選んだ理由は“家族のため”。だが、目の前の佇まいはファミリーの二文字から最も遠い場所にいる。国内で本気のカスタムを受けたM5ツーリングは、まだ数えるほど。今回、bond shop Urawaがその稀有な一台に手を入れた。

BMW M5 Touring サイド ローダウンスタンス

エアロはCT Carbonのドライカーボンで固めた。フロントリップ、サイドスカート、そしてリアディフューザー。あえて最もスタンダードなVer.1で全体を統一し、純正のデザインラインをそのまま延長したかのような自然な佇まいに仕立てている。「純正のMパフォーマンスです」と言われたら信じてしまうほどだ。ドライカーボンは後から修正が効かないぶん、フィッティングがすべて。細部まで隙なく詰め切られた精度が、この一体感を生んでいる。車検の構造変更を要しない最小限のボリュームで、見た目の印象は最大限に。リアディフューザーは純正センサー類を移植し、バルブ付きの純正マフラーを囲うように造形。開閉はリモコンで操るという、芸の細かさである。

CT Carbon フロントリップ ドライカーボン

CT Carbon リアディフューザー クアッドマフラー

そして、この一台の主役へ。足元に選ばれたのはBC FORGED。

BC FORGED ホイール フロント

細身でシャープなマルチスポークを、2ピース構造のブラッシュド仕上げでまとめ、ピアスボルトはあえて見せるブラックタイプ。フロント11J・リア11.5Jをともに22インチで奢り、タイヤはフロント295/30ZR22、リア305/30ZR22。純正の20/21インチから前後を詰め、ノーマルフェンダーのまま295・305をツラでねじ込んでいる。フロントですらコンケーブが効くという、常識の外にあるフィッティングだ。

BC FORGED センターキャップ ロゴ

ここで、BC FORGEDというブランドを少し掘り下げたい。その本質は、レースの現場でも通用する品質と強度にある。とりわけ今回のM5ツーリングは、ハイブリッド化によって車重が大幅に増している。そこへ727馬力。並のホイールでは、この重量とパワーを受け止め切ることすらできない。BC FORGEDは一本一本を緻密に強度計算し、それを可能にする。デザインやサイズ、装着する車両によっては「強度が確保できないため製作不可」と断ってくることさえあるという——妥協なきものづくりの、何よりの証だ。性能とデザインを両立させ、なおかつ組み方・カラー・ピアスボルトの仕様まで、顧客の好みに応じて自在に組み上げる。同じ一台は二つと存在しない、完全なオーダーメイド。今回はサンプルを車の前にずらりと並べ、オーナー自身の目で選び抜いた。BC FORGEDは、これからさらに目が離せない存在になっていくだろう。

BC FORGED ピアスボルト Mキャリパー

ちなみに、ロゴの向きも、ロックナットの位置も、すべてきっちりと成列している。細部を揃える——bondが当たり前に貫く流儀だ。

BC FORGED リアクォーター コンケーブ

脚はH&Rでローダウン。純正の電子制御ダンパーを生かしたまま、絶妙な“一本分”を落とし込んでいる。これだけ攻めたツラでどこにも当たらないのは、自らも車高短を操るスタッフだからこそ成せる技。ワゴンならではの、落とした時のどっしりとした重心感がたまらない。

BMW M5 Touring サイドビュー

BMW M5 Touring リア 3/4

ファミリーカーの顔をした、727馬力のモンスターワゴン。その性能にもデザインにも一切妥協せず、BC FORGEDという最適解で束ねる。走りも、佇まいも、器も——そのすべてを欲張ったオーナーの我儘に、bond shop Urawaは完璧な形で応えてみせた。

BMW M5 Touring フロント 3/4

Alpine A110R × HRE Wheels

Alpine A110R カスタム フロント

まず、この一台が背負う「R」の意味から始めたい。
多くの者はレーシングのRだと思い込む。だが、違う。これはラディカル——“過激”のRだ。アルピーヌ A110の頂点ウルティムに次ぐ、最も鋭利なグレード。その名の通り、余分をすべて削ぎ落とした確信犯的な一台である。

車重はわずか1トンちょい。軽量ボディをミッドシップに組み合わせ、“走る”という一点のためだけに研ぎ澄まされている。R専用のカーボンリップ、ダクトを備えたカーボンボンネット、そしてルーフまでもがカーボン。高い位置から容赦なく肉を削ぎ、低重心へと振り切る。極めつけはリアガラスレス構造——ルームミラーすら持たない。それでいて公道を走れてしまうのだから、“規格外”という言葉すら生ぬるい。

標準でカーボンホイールにミシュラン カップ2、ザックスの脚にアイバッハのバネ。サベルト製6点式ハーネスのフルバケットが待ち構える、まるで戦闘機のようなクルマだ。

Alpine A110R サイドプロフィール

——そのA110Rを、あえて“魅せる”方向へ。

今回オーナーが求めたのは、サーキットへ振り切るのではなく、ストリートで際立たせるという選択だった。国内はもちろん、海外を見渡してもA110Rをカスタマイズした例はほとんど存在しない。前例なき一台に、bond shop Nagoyaは真正面から挑んだ。

Alpine A110R リアビュー カーボンルーフ

足元に選ばれたのはHRE。フロントがヴィンテージGTシリーズ「501GTM」、リアがヴィンテージシリーズ「501M」。どちらもグロスホワイトだ。フロント19インチ、リア20インチの前後異径。純正から1インチアップさせつつ、ウルティムが纏う前後異径のセオリーを丁寧になぞっている。

HRE ホイール フロント 225/35R19

この車、実はリムもコンケーブも“取れない”難物だ。だからこそあえてモノブロックを選び、限られた条件の中で最大限のフェイスを引き出した。うっすらと効いたコンケーブ、前後で統一された繊細なメッシュ——その表情は、まるでレーシングのエアロディスクを纏ったかのよう。パールの効いた白いボディに、白いホイール。狙いはただひとつ、レーシーに、そして美しく。

Alpine A110R フロントフェンダー クリアランス

タイヤは225/35R19。太く欲張るのでも、極端に寝かせるのでもない。スタンスにも走りにも振り切らない、その絶妙な塩梅こそが大人の仕立てだ。

HRE ホイール リア カーボンサイドスカート

こだわりは、見えない部分にこそ宿る。純正のザックス+アイバッハは、アジャスターを最下限まで落としても下がりきらない。そこでイギリスの専門ショップからA110R用のバネを取り寄せ、車高をさらに引き下げた。狙いの車高まで落とし込んだうえでアライメントを整え、フェンダーとハブ周りを実測してからホイールを発注する——世界に一台だけの個体だからこその、丁寧すぎる手順だ。結果、目を疑うほどのクリアランスでありながら、どこにも干渉しない。リアフェンダーはミリ単位で叩き込み、それでいて飛ばしてもノータッチ。脚が優秀で、余計な動きを一切しない。

Alpine A110R リア ディフューザー

インテリアにも手が入る。純正パドルはあまりに小さく、しかもコラムマウント。ならばと大型パドルへ換装し、操作性を一段引き上げた。ボディと同色のトリム、アルカンターラの質感——走りの塊でありながら、指先に触れるすべてが上質だ。

Alpine A110R インテリア ステアリング

走るために生まれた過激な一台を、美しく乗りこなす。
その矛盾を成立させたのは、オーナーの美意識と、それに本気で応えたbond shop Nagoyaの情熱に他ならない。

Alpine A110R カスタム コンプリート

MANSORY for Rolls-Royce Cullinan Series II

常にそのセンスを肯定できるわけではない。
ラグジュアリーカーやSUVに対するMansoryのアプローチは、時に“やり過ぎ”と評されることもある。だが、マーケットを的確に射抜いているのは事実だ。でなければ、これほどまでに次々と強烈な一台を世に送り出し続けられるはずがない。
現在のラインアップは、SUVからスーパースポーツ、さらにはパーソナルウォータークラフトにまで及ぶ。その世界観は一貫している——圧倒的な存在感だ。

エクステリアはカーボンファイバー製のワイドボディキットを装着。単なるアクセント追加ではなく、もはやベース車の面影を最小限に残すレベルでデザインを再構築している。
フロントからリアまで一新された造形は、“強化版”というより“再解釈版”だ。
カーボンを多用したエアロディテール、張り出したフェンダー、再設計されたフロントマスク。
視界に入った瞬間、周囲の空気が一段階引き締まる。

足元にはFD.15 24インチの鍛造ホイール。きらびやかでありながら、どこか計算された控えめさも感じさせる仕上げとなっている。

今回、ボンドグループが特にこだわった仕様変更がフェンダーのダクト部分だ。
他国のショップが手掛けた仕様では、このダクト部分はすべてカーボンをそのまま露出させた仕上げになっていることが多い。しかしそれではドアパネルとの調和にやや欠ける印象がある。
そこで今回は、そのつながりをより自然に見せるため、グラデーション塗装を採用した。
この塗装を実現するためのマスキングポイントは、このダクト部分だけでも実に7ヶ所。単純な塗り分けとはまったく異なる、非常に繊細な工程が必要になる。
さらに、純正のコーチラインに質感を合わせてラインを引き直し、その途中にはMansoryロゴを塗装で配置。当然ながら、純正の塗装肌にも完璧に合わせて仕上げている。
文章にすると一行で終わるような作業だが、実際の工程は非常に複雑だ。こうした細かなオーダーを形にできるのは、自社板金工場であるbond bodyがあるからこそ。
細部を改善し、より良い形へと昇華させる——。
それは、日本人ならではの職人気質なのかもしれない。
そして何より、これまで数多くのお客様の“無理難題”に向き合い続けてきた経験があるからこそ実現できる、ボンドグループならではのこだわりでもある。

リアで最も大きなパーツはリアディフューザーのみ。しかし、その迫力ある造形はまさに圧巻の一言だ。
リアスポイラーやルーフスポイラー、トランクリッドパネルといった細かなパーツの組み合わせも相まって、リアビュー全体に強烈な立体感を与えている。
フロントではバンパー、ボンネット、フェンダーといった主要パネルがすべて交換されているにもかかわらず、リアセクションのインパクトは決して引けを取らない。むしろ車両全体の存在感を引き締める、重要なハイライトとなっている。

この車のカスタム費用はボンドグループ史上、最高額となったが価格で選ぶクルマではない。
妥協を知らない者だけが辿り着く、究極のステートメントなのだ。

BRABUS 800

ここ十年間、bondで一番入庫するモデルと言っても過言ではないGクラス。
2024年、W463A型からW465型へとマイナーチェンジを施したタイミングでメルセデスの老舗チューナー、ブラバスもゲレンデ用のワイドボディキット、ワイドスターにアップデートを施した。
そんなゲレンデのカスタムの最高峰とも言える、究極のブラバスコンプリートを紹介しよう。

800馬力が生み出す圧倒的パフォーマンス

この一台に妥協という言葉は存在しない。
高度なインディビジュアライゼーションによって完成したラグジュアリーな世界観が唯一無二の存在感を放つ。
W463A型から現代風のスタリッシュなデザインに変わり、ボンネットに設けられたパワードームもダクトは単なるデザインから実際にエアを排出する構造に変更された。
また、オーナーの好みによってバンパーとフェンダーに付くカーボントリムをカーボンパッケージI、II、IIIから選べる仕様になり、より個性を演出できるようになった。

今回の個体はInozetekのDPPF SQ102 Navyとメルセデス純正のオブシディアンブラックで2トーン化されたことによりボディキットのワイド感が演出されている。
ゲレンデ、ワイドボディ化されたからこそできる技の一つだ。

800馬力が生み出す圧倒的パフォーマンス

その美しい“800”のエンブレムは、BRABUSが誇る“心臓部”の存在を象徴するものだ。
4.0リッター V8 ツインターボ──BRABUS 800仕様は、588kW(800ps)、1,000Nmという驚異的な数値を叩き出す。
専用チューニングが施されたターボチャージャーと、SPEEDSHIFT TCT 9速トランスミッションの完璧な連携により、0-100km/h加速はわずか4.0秒。
カーボン製パドルシフターで操るもよし、車に委ねるもよし。すべてはドライバーの意志に委ねられる。

最高速度は240km/hに電子制御されるが、そのポテンシャルは計測値以上だ。
サウンドを司るのは、アクティブバルブ制御を備えたBRABUSスポーツエキゾースト。
ボタンひとつで、V8の咆哮から上質で控えめなトーンまで自在に切り替え可能となっている。

日本1号車としてふさわしい一台

外装、エンジンのチューンアップが完了したら残るは内装だ。
これまでBRABUSの内装をフルで仕立てようとすれば、車両そのものを本国・ドイツへ送る必要があった。
距離の問題はもちろん、輸送コストや長い納期は大きなハードルとなり、現実的な選択肢とは言い難かったのが実情だ。
一方で、完成されたコンプリートカーを本国から輸入する場合も簡単ではない。
右ハンドル仕様の設定やナビゲーションの言語、マップ問題など、実用面での制約が立ちはだかる。
したがって日本国内で内装を触るとすればペダルセットやステアリングパドル、ドアロックピンといった小物類に限られていた。
「理想のBRABUSインテリアを手に入れる」こと自体が、様々な壁に阻まれていたと言っていいだろう。
そのような壁を越えるためにBRABUSが出した答えが”BRABUS SIGNATURE INTERIOR”だ。

その完成度は、外装同様に一切の妥協を許さない。
キット内容は前後シート、ドアセンター部、フロントニーパッド、メーターフード、レザーフロアマット、レザーラゲッジマットとなる。
使用されるレザーは、言うまでもなくBRABUSファインレザー。
しっとりとした質感と高い耐久性を兼ね備え、触れた瞬間に“違い”が分かる仕上がりだ。
なかでも特筆すべきは、外側に向かってパンチングの径が大きく変化していくデザイン。
視覚的な立体感とスポーティさを強調し、キャビン全体の印象を一段引き上げているだけではなく、コピー防止にも役立っている。
もちろん、各部にはBRABUSファインレザーのバッジが誇らしく装着される。
とくにWIDESTARキットを装着している車両には、必須とも言えるアップグレードメニューだろう。

それに合わせてリア5面のガラスを素ガラスに交換。こう言ったこだわりも忘れてはいない。
外装だけで終わらせない、一つのブランドで内外装からエンジンと全てのコンポーネントに手が入った車こそ、真のチューナーコンプリートなのだ。

BRABUS for Rolls-Royce Cullinan Series II

静かに視線を支配する—

ロールス・ロイス・カリナン シリーズIIをベースに誕生したBRABUS WIDESTARは、もはやラグジュアリーSUVという枠には収まらない。
そこにあるのは、圧倒的な威圧感と研ぎ澄まされた美意識を併せ持つ“超高級スーパーカー”だ。
フロントフェイスは、BRABUSならではの造形美が際立つ。
ヘッドライト下に配置された独創的なデザインエレメントと、一体型リップスポイラーを備えた専用フロントフェイシアが、カリナンにさらなる迫力を与える。
そのデイライトが描くラインは夜間でも一瞬でそれと分かる存在感を放ち、ボンネット中央にあしらわれたカーボントリムが、静謐さの中に秘めたアグレッシブさを雄弁に語る。

高級車のカスタムトレンドを詰め込んだ一台

カラーの入ったカーボンと同色カスタマイズは高級車のアフター業界で今流行ってきている手法だ。
この車両はそんないま押さえるべきトレンドを、余すことなく詰め込んだ一台となっている。
ボディを構成するすべてのカーボンパーツは、BRABUS本国指定カラーのグリーンで塗装されている。
ロールスロイス純正ビスポークカラーの「ブリティッシュレーシンググリーン」と溶け合い、光の当たり方ひとつで表情を変えるその姿は、見る者に強烈な印象を刻み込む。
4枚のドアに配されたカーボントリムは、リアクォーターへと途切れることなく流れ、SUVとは思えぬ低く、ワイドなスタンスを完成させている。

そんなワイド化されたフェンダーに収まるのは、BRABUS Monoblock M “PLATINUM EDITION”
ボディ同色に塗装されたディッシュのデザインがコンプリートの統一感を演出する。
リアビューもまた圧巻だ。

カーボン製リアスポイラーと、ディフューザー一体型のリアフェイシアが生み出す立体感は、後方から見ても一切の隙を感じさせない。
それは単なるドレスアップではなく、「走ること」を前提に緻密に計算された機能美の結晶だ。
その姿を目にした瞬間に訪れる**“1-Second-Wow”**──それこそがBRABUSの真骨頂である。

さらにメルセデス以外のコンプリートカーに与えられる特別なデザインのエンブレムは、通常の赤い2本のラインがボディ同色に塗装されている。
こういった細かいところにも手を抜かず改良し、別物レベルまで持っていくところが実に日本らしく、その感覚がBRABUS本国が求めるブランド作りや信頼感に貢献しているのだ。

Porsche 976 Panamera × HRE Wheels

都会的なセンスとカラー

976 Panamera HRE ragazziclub

いつもは技術的な説明が多いが、今回は我々がカスタムに向き合う根本的なマインドを説明しよう。
ポルシェを語るうえで、ボディカラーは欠かせない存在だ。1975年、930でデビューした「ガーズレッド」、911や928、944を彩った深いマゼンタ「ルビーストーン」、そしてフロリダの海を思わせる現代の「マイアミブルー」。これらの歴史とともに刻まれたカラーは、ポルシェの個性を際立たせてきた。
今回のボディカラーは新しく追加されたプロヴァンス。南フランス、プロヴァンス地方の壮麗なブドウ畑やオリーブ畑、ラベンダー畑の美しい景色がイメージされている。
日本ではそのようなイメージが湧かないかもしれないが、意外にそうではない。2024年に全世界で31万台を販売したポルシェだって、このボディカラーを纏ったほとんどの車が都会で使用されることは承知の上だ。
特に都心部では周囲環境が車の色を引き立て、ファッションの影響やお隣さんと被りたくないと言った理由からユニークなボディカラーが選ばれる傾向にある。そしてそのアップデートも早い。
フルモデルチェンジをした直後だと抵抗があるのに、数年経つと見慣れる現象と同じである。
そう言った感性が先述のボディカラーのように数年後、一周回ってかっこいい、むしろそのメーカーやモデルを象徴する愛されるカラーとなるのだ。

感性の進化

976 Panamera HRE ragazziclub

人の感性は日々アップデートされていく。
人間が五感で感じるものは知らず知らずのうちに情勢や文化、流行などの影響を受け、変化し続けるものだ。
ネットやSNSが発展し、共通の趣味を持った人たちが直接つながり、自分の価値を伝えることができる。そんな個性が注目される社会だからか、オプションやボディカラーのラインナップは一昔前では考えられないくらい増えた。
様々なメーカーが個々に寄り添い、よりパーソナライズされた一台を作ることが可能だ。
もちろんコストや制作期間は通常よりも多くかかるが、それでも自分だけの仕様をオーダーしたいと言う顧客は世界的にも増えている。

‘bond’の役割とカスタムの未来

976 Panamera HRE ragazziclub

そんなメーカーが提供するパーソナライゼーションと全く別のアフターの世界でのスペシャリストが融合して初めて顧客を満足させることができる。
我々は昔から車をパーソナライズするプロという自負がある。
なぜなら、インターネットが発展するずっと前から車と言う専門分野でオートクチュールを生み出してきたからだ。
いくつになっても若い感性を持ち、柔軟な考えを持ちながら個性を作り上げる。
bondが創造するのは、単なる見た目だけではなく、そこから生まれる体験や感情なのだ。
976 Panamera HRE ragazziclub

Photos: ragazziclub
@ragazziclub

Techart 911 Turbo Cabriolet × HRE Wheels

TECHARTと彩る、唯一無二のコンプリートスタイル。

幾多のカスタムが存在する中で、ここまで完成された911がどれだけあるだろうか。
人気で歴史も長いモデルだからこそパーツはごまんとある。
ライトなペイントカスタムからタイムアップを目指すチューニングパーツはもちろんのこと、エアロパーツ、ホイール—。
あげればキリがない。だがしかし内外装とエンジンまで妥協なく、オーナーのこだわり通りにシルエットと機能美を両立させられている車両は少ないのではないだろうか。
それを実現させてくれるのがドイツ老舗ポルシェチューナー、Techartだ。

見えないところこそ、抜かりなく。

Techartのエアロパーツをフルで装着していることは説明不要だと思うが、所々カーボンの仕様を選択。
さらに樹脂パーツをシボ取りし&グロスブラックで仕上げることで、カーボンの質感を最大限に引き出している。
しかしそれらだけにとどまらず、ナンバーベース、ウォッシャーノズル、ドアミラーベースに至るまで、全てをボディ同色でペイント。
エンブレムは”PORSCHE”から”TECHART”へと換装し、ブランドとしてのアイデンティティを再定義。
「言われないと気づかない」美しさにこそ、深みがある。

テールまわりは大型のリアスポイラーIIを選択。一番面積の大きいカーボンパーツというのもあってより印象的だ。リアディフューザーやテールパイプ、エアインテークカバーといった細かいパーツもすべてドライカーボン製。
赤みを抑えたスモークレンズとの相性も抜群で、テールエンドはクローム仕上げを敢えて選択。
見せる、魅せる、魅了する――。そのすべてを叶えるリアビューに仕上がっている。

足元には、HRE 522 3Piece 21inchをインストール。
一見シンプルな5本スポークに見えて、実はねじれたような立体的なデザイン。
997ターボの純正ホイールのデザインを彷彿とさせるクラシック×モダンの絶妙なバランスを持つモデルだ。
リムの深さも圧巻。フロント2インチ、リア3インチの“魅せリム”仕様。
キャリパーロゴもTechartに変更され、細部にまで統一感が宿る。

内装まででやってこそ真のコンプリートカー

予定外だった内装カスタムも、最終的にはこのクルマの“核”になった。
“クラシックに仕立てたい”というオーナーの意思もあり、本国に送り仕立て直されたシートや内張りは、赤×黒のタータン柄。
これはポルシェとピエヒ一族のファーストレディ、ルイーゼ・ピエヒへの誕生日プレゼントとして製作されたターボエンジンが初めて搭載された公道用911ターボの「第1号」、1974年の911の内装から着想を得たものだ。
ただダッシュボード下部はファブリックを使用せず、純正の赤いレザーをそのまま使用し、あえてドアハンドル下部でこの印象的なファブリックを切ることによって、行き過ぎたうるささを抑えている。
930の内装と現代の内装は比べ物にならないくらい立体的で作り込んだ物になっているため、何でもかんでも真似ればいいというものでは無いのだ。
ヘッドレストやアームレストにはTechartのロゴを刺繍で刻み、ディテールへのこだわりを演出。
ステアリングは上下カーボン、赤のセンターライン、パンチングレザーの奥にのぞく赤。
遊び心と上質感を絶妙なバランスで融合させている。
バイザーの蓋までレザー張り。これぞ、本物の“トータルコーディネート”だ。

最後にコンピューターチューニングで、機能面も抜かりなし。
一台のポルシェとして、いや、一台の作品としてここまで手の入った911は、そう多くは存在しない。
「カッコいい」だけでは語れない、オーナーと職人の情熱が宿る一台。
それが、この991.2 Turbo Cabrioletなのだ。

Lamborghini Revuelto × Inozetek × Fragment × MV Forged Wheels

ストリートとラグジュアリーが交差する、“一手先”の美学”

2025年、東京オートサロン。
会場を歩く視線の先に、異彩を放つ一台のレヴエルト。
そのボディを包むのは、静寂の中に力を秘めたネイビー。
これは、ただの“カラー”ではない。

職人の執念が宿る、2つの色

ジャンルの壁を超えた三者のセッションから生まれた、ダイナミックPPF コラボレーションカラーである。
カラー名は、
SQ101 Black(ソリッドブラック)
SQ102 Navy(ソリッドネイビー)
何度もやり直し、「これだ」と全員が納得するまで、トライ&エラーを繰り返した。
仕上がりは、まさに“着るボディアーマー”。ただ色を纏うのではなく、車そのもののオーラを底上げする。
そしてそのコラボの証明となるロゴはフューエルキャップにさりげなく鎮座する。

圧倒的存在感のレヴエルト。そこにあるのは、造形の革命。

そのオーラに負けないように今回チョイスしたホイールはMV Forged製、Heritageシリーズ。
フロントは新作のHS20F。
デザインはbond名古屋による完全オリジナルでセンターが深く抜けたものにしている。

リアはHS20。レヴエルトの構造上、リムは取れない。
だからこそ選んだコンケーブディスクで奥行きを演出。

純正車高調を限界まで落とし、重心を低く構えた姿はまさに“静かな猛獣”。
ストリート×ハイエンドの融合は、必然だった。話題性だけじゃない。ちゃんと“本物”を作りたいーーー。
Sequel Fragmentのストリート哲学、Inozetekの革新性、そしてbondの熟練された感性が交差し、このプロジェクトは“流行”を超えて、“一つの完成形”へと昇華された。

妥協のないモノづくりと、最高に“洒落た一手”が、そこにある。

BMW G82 M4 × BBS Wheels

日本初の一流鍛造ホイール

今からちょうど30年前の1994年、BBS LMは誕生した。
年齢問わず、車好きなら知らない人はいないはずだ。
ここまで長く愛され続けてきたのは、間違いなく世界最高峰の自動車レース、F1のパーツサプライヤーとして長年にわたって君臨してきたからだろう。
余談になるが、BBSF1用ホイールも市販車用と同じ工程で製作され、鍛造は全て日本で行なわれるている。

全ては計算済み

今回、そんなレース色の強いホイールを取り付けるのはBMW G82 M4だ。
この組み合わせは鉄板ではあるが、ボディカラーから見て取れるように少し変わっている。
オーナーは新車時に特別色となるBMW IndividualのFrozen Deep Greyで注文。
M4では珍しいカーボンシートも選択しているが、あえて標準の素ガラスとブラックキャリパーを選択し、ポイントで行き過ぎた足し算を抑えている。
それは全てこのホイールを入れるための「準備」だ。

オーナーのこだわり

そんなこだわりを持ったオーナーに通常ラインアップのBBSをそのまま履かせるわけにはいかない。
BBSは鍛造ホイールでもカラーやオフセットの自由が効かないため、そのまま取り付けるとありきたりな雰囲気になってしまう。
それでは唯一無二を求める顧客にはものたりない。
そこでボンドグループの出番だ。
まず、LMをポリッシュ加工。

さまざまな海外のカスタムシーンから得た豊富な経験と知識をもとにポリッシュ加工して脱コンサバ感を演出。
マットのボディには眩しすぎるくらいだ。
そして次に、ポリッシュをさらに際立たせるために前後とも1インチアップのフロント20インチ、リア21インチを選択。
一見、運動性能の影響もありそうなサイズ選択だが実はBMW M Performanceのオプションホイールにも設定があるサイズだ。
言ってしまえばメーカー公認サイズ。
先述の通り、F1のサプライヤーのホイールを選択しながら運動性能に影響があってはならない。
ここまでくれば選択するタイヤはただ1つ。
Michelin PS4S、BMW承認タイヤだ。

一流品を選ぶというとこと

ローダウンはKW製の足回りを使用し、そのほかにもAkrapovic製のチタンマフラーを取り付けた。全てのパーツが純正採用され、レースに参戦している一流品。どの角度から見てもバランスの取れた一台となった。

かっこよくしたくてドレスアップしているのに運動性能が落ちてしまっては、それはもうドレスアップではない。そしてかっこよくもない。
しかしながら見た目と性能を両立するドレスアップは簡単なことではない。
見た目や音が優先ではない一流品のパーツだが、そこにはエンジニアの考え抜かれたノウハウが詰まっている。
本当の意味での「かっこよさ」は、もしかしたらそこにあるのかもしれない。

最後に
LMと同い年のオーナーには特別な一台となった。

ボンドグループが目指すのは、単なるカスタムショップではなくオーナーの求める唯一無二を叶えるコンサルである。
最高にキザな車作りの旅はベース車両を選ぶところから始まっている。
そして終わることはない。

Range Rover SV Autobiography × HRE Wheels

オシャレは足元から

大口径、深リム、コンケーブホイールと、時代と共に変化していったホイール。大型SUVブームと相俟って”車のスニーカー”の流行は大口径ディッシュタイプ。昨今では純正でもディッシュタイプのホイールを設定しているメーカーまである。
SUVを作り続けて50年にもなるランドローバーの新型レンジローバーが今回のベース車両。それも最上級グレードのSV Autobiography、そしてロングホイールベース。さらなる個性を出すためには最高の車両だ。

最近の車はcd値に衝突安全性、レーダーやセンサーなどの関係でボディ表面の凹凸がなく、下手にエアロパーツなどを取り付けると全体のバランスを崩すどころかドレス”ダウン”してしまいかねない。それでいてかっこよくない。特に新型レンジローバーは車に手をつける前からトータルコーディネートができていないとさらっと感を演出するのが難しい。

アメリカ製鍛造ホイールの老舗、HREの935。その名の通りポルシェのグループ5のホイールから来ている。

最先端の車ならではの難しさ

カスタムの難易度は上記で述べた見た目の問題だけではない。この車両には4WSが標準で装備されていたり、24インチとなるとタイヤ指数加重も課題になっている。bond groupでは最新車種がある一店舗に入庫したらそのローダウンデータやブレーキデータ情報を全店舗で共有し、どの店舗にいても同じサービスが受けられるようにしている。

新型の車両に最先端のホイールだから実現されるこの雰囲気には中毒性がある。
もうすでにbond groupでは何台もの車に大型ディッシュホイールを取り付けてきたが、これは外すことのできない1台だ。